ポケダンバーニング 第二話 誰?(ダイアリーから転載)
昨日に引き続き、転載です。
…。
バーンが目覚めたときに見た風景は、元いたマンションではなく海岸だった。
何が起きたかイマイチ理解出来ていない。
(いつものように家に帰ったら…フィアがいなくて…!そうだ、フィアはどこにいるのだろ…ん?)
目の前に横たわるポケモン。
それは間違いなくリーフィアそのものだった。
バーンの顔が和らいだ。
「フィア。おいフィア起きろって~。」
体を揺さぶっていると、やがてリーフィアはムクっと起き上がった。
「お、起きたかフィア。おはよ!」
リーフィアは一瞬戸惑った表情を見せ、そして言った。
「…誰?」
「おいおいなんのつもりだよフィアwww」
「って…え、え、えぇぇぇぇ!?なんで!?え?君ポケモン!?」
なぜ妻がこんなことを言っているのか理解できなかった。
それに、なんだかどことなく男っぽい、別人な気がする。
姿も大きさも声もフィアなのに。
先程から騒いでいたリーフィアは自分の手を見て黙り込んだ。
「おい…フィア?お前何か変だぞ…?」
「…ポケモン…?」
「ん?」
「…ポケモンに…なってる…」
その後沈黙が続いた。
二人とも現状が理解出来ていないようだった。
たまりかねたようにバーンが口を開いた。
「お前…名前なんていうの?」
「…なんだろう…」
「覚えてないのか?」
「うん。人間だったことは覚えてるんだけど…」
バーンは耳を疑った。
「人間?人間ってあの昔話に出てくるあれ?」
「な、なにそれ…君おかしいよ?」
「いや、だってこの世界はポケモンだけの世界で」
「この世界はポケモンと人間が共存する世界で…」
バーンは思った。
このリーフィアは別世界から来たみたいだ、と。
「そういえば君の名前は?」
「お、俺?俺はバーンだ。お前は…っと、覚えてないんだったな。」
「そうだね…フィオとでも名乗っておこうか。」
「なんかいきなりだが…わかった。フィオな。でも何か男っぽい名前じゃないか?」
「え?僕、男だよ?」
バーンが複雑な気持ちになったのは言うまでもあるまい。
妻と同じ姿で同じ声の男が、目の前にいるのだから…
「というか、ここどこでしょうねバーンさん。」
「俺も知らない場所だな…」
「あの、バーンさん。しばらく一緒に行動しませんか?ひとりじゃ不安ですし。」
二人はとりあえず、ここはどこなのか、手掛かりを探すことにした…
続く・・・